快適な住空間を実現したいとお考えではありませんか?
実は、屋根が外壁から突き出した部分の裏側である「軒天(のきてん)」の長さを工夫するのがおすすめです。
では、どれくらいの長さにするのが適当なのでしょうか?
本記事では、軒天の長さを検討中という人向けにおすすめの長さや、長さによるメリット・デメリットを詳しく解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
軒天の長さの理想は?


家づくりにおいて、軒天の長さは「見た目」「快適性」「機能性」に大きく関わります。
理想の長さは住宅の立地や目的に応じて異なります。
まずは基本的な目安から見ていきましょう。
一般的には90cmが理想
結論から言うと、軒天の長さは90cmが一般的な理想とされています。
なぜなら、約90㎝の長さがあると雨風から外壁を守る効果が高まり、建物の耐久性が向上するからです。
また住宅の外観も美しく見えやすく、外壁の劣化も防ぎやすくなります。
たとえば、軒天が短いと外壁が直接雨にさらされて黒ずんだりコケが生えたりします。
一方、90cmの長さがあれば、そうした汚れから外壁を守る役割を果たしてくれる場合が多いです。
建物のデザイン性と機能性を両立するには、まずこの長さを基準に検討するとよいでしょう。
雪国・多雨地域では長め
積雪が多い地域や雨が多い場所では、軒天の長さを100cm以上にするケースが増えています。
理由は、屋根から落ちる雪や大量の雨水が直接外壁に当たらないようにするためです。
たとえば、北海道や北陸地方では120cm以上に設定する場合もあります。
これにより、外壁の保護性能が格段に上がります。
地域の気候に合わせて長さを調整するのが、快適な住宅づくりの第一歩です。
都市部では軒天がない住宅が多い
都市部の住宅では軒天が「ゼロ」、もしくは極端に短いケースも珍しくありません。
これは、敷地が狭く、建物の居住面積を確保するために軒天を削りたいからです。
しかし軒天がないと、雨が外壁に直接当たりやすくなり、外壁の劣化が早まる傾向があります。
また、日差しを遮る役割も失われるため、室内温度のコントロールが難しくなります。
こうしたリスクを軽減するためには、「汚れにくい外壁材を選ぶ」「窓に庇(ひさし)を設ける」といった対策が有効です。
軒天を長くするメリット


軒天の長さをしっかり確保すると、見た目だけでなく機能面でも大きな利点があります。
ここでは、具体的なメリットを3つ紹介します。
外壁が汚れなくなる
最も大きなメリットは、外壁の汚れが軽減される点です。
軒天が長ければ雨が直接外壁に当たらないため、泥跳ねやコケの発生を防げます。
たとえば、外壁にクリーム色や白色を使っている家では汚れが目立ちやすいですが、軒天を長く取るとキレイな外観を長く保てます。
さらに家の見た目だけでなく、外壁塗装のメンテナンス頻度も減らせるのもメリットです。
遮熱や採光効果があり
軒天は日差しをコントロールする役割も果たします。
日差しを遮れるようになるので、特に夏は室内が暑くなりすぎるのを防ぎます。
一方、冬は太陽の角度が低く、日光を室内に取り込められるようになるので、自然な暖かさを得られやすいです。
こうした遮熱・採光効果は、冷暖房の使用を減らせられるようになるので、省エネ住宅としてもメリットがあります。
雨よけになる
軒天の長さは、窓や玄関に日陰をつくる効果もあります。
たとえば、雨の日でも窓を少し開けて換気できるため、湿気がこもりにくいです。
これにより室内の湿気がこもりにくくなり、カビや結露の発生を防ぐ効果があります。
さらに、窓からの雨水の侵入を防げると床や家具が濡れるのを防止します。
軒天はただのデザインではなく、住宅の快適性を保つための大切な部分なのです。
軒天を長くすると発生するデメリット


軒天を長くするにはたくさんのメリットがありますが、同時に無視できないデメリットもあります。
以下で詳しく説明します。
部屋が暗くなる
軒天が長すぎると、日差しが窓に届きにくくなり室内が暗くなります。
特に南向きのリビングやキッチンでは、明るい光を取り込みたいと考える方が多いでしょう。
たとえば、軒天が120cm以上ある住宅では、冬場の太陽が低い位置にあるときでも室内に日光が届きにくいです。
その結果、部屋の中が冷えやすくなったり、光不足によるストレスが生じるケースも見られます。
コストが掛かる
軒天を長くすると、建築費が上がるという点にも注意が必要です。
たとえば、標準的な軒の長さを90cmとした場合、これを120cmに伸ばすと1棟あたりで使用する屋根面積が大きくなり、合計で数十万円の追加費用になる場合もあります。
家づくりでは外観の印象や機能性を重視するあまり、思った以上に予算をオーバーしやすいです。
居住面積が狭くなる
軒天を長く取るのは、敷地面積が限られている住宅において室内空間の圧迫につながります。
軒天が建物の外周部にせり出す分、建物全体の配置や間取りに制限が出る可能性があるため注意が必要です。
特に、土地が少ない都市部の住宅では、軒天で居住面積が少なくなるのはとてもデメリットに感じてしまいます。
軒天の長さで後悔しないポイント


軒天の長さで失敗しないためには、以下の3つのポイントを確認しておくとよいでしょう。
目的を明確にする
軒天の長さを決める前に、「なぜその長さにしたいのか」という目的を明確にするのも大切です。
目的がはっきりしていないと見た目やイメージだけで決めてしまい、後から「やっぱり使いにくい」と後悔する可能性があります。
たとえば、「夏の日差しを防いで室温を下げたい」という目的があるなら、南側の軒は長めに取るのが効果的です。
一方で、「できるだけ自然光を多く取り入れたい」という場合は、軒を短くして室内に光を取り込む工夫が必要です。
また、「ウッドデッキの上で雨の日でも洗濯物を干したい」という実用的な目的があるなら、庇としても機能するように軒天を長めに設計すると満足度が高くなります。
地域の気候を考慮する
最も重要なのが、住宅が建つ地域の気候に合わせた判断です。
軒天の役割は外壁を雨や日差しから守ったり、建物内部の温度管理にも影響したりします。
たとえば、雪が多い地域では屋根から落ちる雪が外壁を直撃するのを防ぐため、軒天は長め(100〜120cm以上)に取られる傾向があります。
反対に、曇りやすい地域や冬に日差しが少ない場所では、軒が長すぎると部屋が暗くなるリスクもあるため、短めに抑えるのが一般的です。
このように気候条件に合わせた長さを選ぶと、建物全体の快適性と機能性が高まります。
コストのバランスを考える
軒天の長さは快適性やデザイン性を左右する一方で、建築コストにも直結する要素です。
「せっかくなら長くしておきたい」と思うかもしれませんが、長くすると屋根材や構造部材が増え、施工費もかさむ傾向があります。
たとえば、30cm延ばすだけでも屋根全体の面積が広がり、屋根材や雨樋、換気口などの資材費も上がります。
そのため、軒天の長さを決めるときは「どの程度の長さまでが費用対効果として妥当か」を冷静に見極めるとよいでしょう。
まとめ
軒天の長さは、住宅の外観・快適性・耐久性を左右する大切な要素です。
標準的には90cm(900mm)がおすすめですが、地域の気候や土地条件、コストに合わせて最適な長さを見極めるのが重要です。
メリットとデメリットの両面を理解した上で、自分たちの理想の暮らしに合った設計を心がけましょう。
軒天まで丁寧に考えるようになると、後悔しない家づくりにつながります。
*K*
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